太陽の画家 三谷祐資の絵画


朝日・夕日の取材について

  朝日の取材は特に大変である。家から出かける範囲だと朝の2時起きの時もある。ただ偶然に気の向くまま行けば良いというものではなく、まず調べられる範囲はそれまでに方々の手を使いながら、おおよその当たりは付けて地図を頭に入れて、朝日の方角を考えながら鳥瞰図的に考える。自然の中には山あり谷ありと制限があり、その事も考慮に入れながら、常に天気図を考え最後には勘である。必ず方位計を持ち、まだ星が輝く頃から太陽の位置を予測する。それも風景の美しい場所と情報の無いところもあり、奇跡に近い時もある。何しろ感動が無いといけないのだから。宿泊する旅行中の時は、前日の日中に行って調べる。外国の場合は特に大変で、ガイドが必要になる。行く前に前もって行きたい場所の計画を練って貰うのだが、その為の資料をガイドへ送るが届くと限らず、折角送っても届いていない場合も多い。日本のようにすんなり届くことは少ない。
  ガイドは朝日の絵・夕日の絵を描く取材と伝えると、昼間は休息と、誰しも楽に思っているらしく、2・3日もすると昼間に休みが無いことに気づき、ガックリきているようだ。というのも、昼間は準備つまり次の日の朝日と夕日を取材する場所へ行って確認する為にあるからである。距離のある場合も多く、朝は暗い内から、夜も月の取材に出かけることもある。さすがに夜はガイドも疲れるので自力で行くが。ガイドを褒めたりなだめたり、サービスも忘れないが、時には圧力で迫ることもあるので1週間位経つ頃にはくたくたになる。これが何週間も続くのだから。
  特に外国は治安の悪い国では、警官をお願いしてという事もある。危険とは隣り合わせ、イスラエルなどは行ける時のほうが少ない。帰国して2・3ヶ月して今の状態になってしまった。世界で最も出入国の難しいテルアビブの空港は出国の時は3時間も前に行き、手続きには2時間位かかり、出国の飛行機に間に合う合わないに関係なく調べられる。キリスト教発祥の地がこうで、お釈迦さまの国も治安が良くない。どうしてかわからないが、月日が流れただけではないと思う。普通は夜の方が治安が悪いのだが、朝から治安の悪い国は貧困過ぎるというか、食事も満足にできない状態で言い様が無い。富の格差が有り過ぎるのである。飽食の国からは考えられない事であるが、私達は幸せな国に生きているとつくづく思う。
けれども暗い大地より昇る太陽は、そんな矛盾と不安を打ち消すように、感動と希望を与えてくれる。

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